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恐ろしい女 [デラワン時代]

デラワンに着任した直後

ある写真集が置いてありました。

その写真集はシンガポールの写真家の写真集。
その当時まだまだピグミーシーホースも流行り始め
他のいろいろなマクロの生物もその写真集にしっかり載っていて

当時の写真集としてはかなりマニアックなものでした。

 


シンガポール人の写真集なので勿論書いてあるのは英語。
生息環境、生態などが全部英語で書いてありました。


いくつかページをめくると・・・

日本語が書いてある。

いやいや、印刷しているわけじゃなくて
教科書に単語の訳を書き込むように鉛筆で小さく手書きで。


多分、コレをした人は英語があまり得意ではなくて
でも、ここに書いてあることをどうしても知りたかったんだと思います。

単語をひとつずつ辞書で調べたんだろうなあ・・。

 

この訳を見ながら内容を確認していると・・・

 

 

あれ?

 


ピグミーシーホースのページでした。

 

They stay at special Gorgonian,,,,,

 


書いてあった訳は

『彼らは』

『滞在する』

『特別な』

『伝説の恐ろしい女』

 

・・・・・?

 

 

 

????????

 

 

 

 

恐ろしい女~?

 

 

 

なんでその訳を選ぶ??

 

 

 

 

たしか神話にある髪の毛が蛇の女って

ゴルゴンでしたよね?

 

多分、あれと間違っちゃったんだと思います。

 

 

 

しかし・・彼はコレをここに書いたあと
訳してみてどう思ったのだろうか?

 

 

特別な伝説の恐ろしい女に住む

ピグミーシーホース。

 

 

 

 

(何だかちょっと見てみたい・・笑)

 

 見るのに気合要るかも?

 

 

多分訳した本人もビックリしたことでしょう。

いろんな意味で・・。

 

 

このなんともかわいい間違えに
しばらく笑わせていただきました。

 

 

 

そして今も・・・

 

ニヤニヤが止まらない。

 

 


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怒ったら怖いんだから~! [デラワン時代]

私怒ると怖いんです。

ゲストの皆様、

そう、そう!サトミさんは怖いよね(笑)

なんて笑いながら言ってません?
笑っていられるくらいの私の怒りは全然怒ってないです。
(ってそのくらいわかりますよね)


弟子のアンディやヘリはよ~く知っています。

私の怖いところ。

 

本当に怒ることはほとんど無いんです。
注意したり、怒っているように見えているときは安全。

怖いのは話さなくなること。
いじめじゃないですけど・・・完璧にその人を自分の中から排除しちゃうんです。
仕事の話はしますけど、表情はナシです。

しかも、どんな偉い人にも関係なく間違っていたならば怒ります。
同じように排除しちゃうんですよね。だから上司とも合わないのかな。


それを越えると・・・・

 

ひえ~思い出したくない~(笑)

 

 

 

越えたことが1度だけあります。


それはデラワンの時。

 


お馬鹿なマネージャーがいたのです。

デラワンのガイド(私の弟子を含む)にはDMのライセンスを持っている者が
一人もいません。
(スキルは私が教えたのであるのですが、オーナーの方針でライセンスはあげないと言うものでした)

それなのに・・・新しいゲストが来ると

ここはPADIの5スターリゾートです。

と勝手にブリーフィング。
(要はPADIも何も知らなかったりするが、他のリゾートで言っていたのを真似して言っているだけ)

 


よくわからないことを何でも知っているように話すわけです。
ゲストの方はマネージャーだと思っているので
嘘でも何でも信じてしまい
あとから問題が山積み。


最初の頃は私もやさしく「これは違うよ。」

と教えていたけど最後にはあきれ果てて・・・・。


自分のゲストに関係なければいいと放っておくようになりました。

 

 

 

そんなある日

お盆・・だったかな?

 

日本人のゲストが15人くらい
シンガポールからのゲストが15人くらい

珍しくゲストが沢山いる時でした。

 


夕食はバーベキュー

バーベキューを焼くすぐ隣に日本人席。
日本人の向こう側にシンガポール人席。

レストランチーフが

今日はロブスターのバーベキューもあるよ
沢山食べてね

と皆にインフォメーションしました。

バーベキューの煙がもろに日本人席にかかっていましたが
美味しいバーベキューが食べられる~
ということでゲストも納得。もちろん私も納得です。


そしてそろそろロブスターも焼け上がるころ

 

 

マネージャー登場。

 


あ、バーベキューはシンガポールゲストのリクエストだから
日本人は食べないで。


・・・・・はっ?


ごめん、ごめん、レストランに話すの忘れてた。
そう言うことだからサトミ、ゲストにインフォメーション宜しく。

 

・・・・・はっ?

 

英語が聞き取れていたゲストはすでに

え~、じゃ、私達は何を食べればいいの?

とざわざわし始めていました。

今日のメインはバーベキューなのでレストランもそれ以外のものは
サラダとデザートくらいしか用意していないのでした。
しかも、すぐ隣で焼いていて煙まで浴びているのに・・・
さっきまで食べてくださいって言ったのに今は食べちゃいけない・・・・

 

 

ぷっち~ん

 

何かが切れる音がしました。

マネージャーの手をとってレストランの裏に行きました。
(この時点でまだ彼は何を勘違いしたのかニタニタ笑っている)

 


馬鹿にするんじゃね~よ~!

お前何考えてんだよ?
女だと思って馬鹿にするんじゃねーよ!

 

日本語で怒鳴りました。
かなり大きな声だったので他のスタッフも飛んできました。


お前なあ、
日本人は何しても文句言わないと思ってるだろ?
常識で考えろ!
これはお前のミスだろ?
なんでうちのゲストがこんな思いしなくちゃいけないんだ?
謝れ! Say sory to my guest!!

 

 

最後だけ英語でしたが日本語で捲くし立てました。

変に英語を使ってしまうよりこの方が伝わりますからね。

まわりで見ていたスタッフが私が暴力を振るうと思ったのか
後ろから私を羽交い絞めにしました。

 

それでもさらに日本語で攻め立てたので

彼は後ずさったまま小走りで逃げていってしまったのです。

 

あの野郎~!

 

でも怒っている場合じゃない。

ゲストにどう対処すべきか・・・・・
もう一人のマネージャーに

これはどう考えてもリゾート側のミス。
それにすでにゲストは嫌な思いをしているんだから・・・

今日はロブスター以外のバーベキューを日本人にも食べさせて
明日、お詫びとしてロブスターを日本人にも出すことが出来る?

OK。 Tomorrow , Robster only for Japanese guest!


ひとまず商談成立。

半分、うなだれているゲストの所に行き

すみませんでした。
今日はロブスターなしですけど他のバーベキューはOKです。
明日、お詫びに日本人だけにロブスターを出すって言ってました。

とお詫びして・・・飲みなおしました。

 

そのときゲストが


でも・・日本人だけって事は、明日またシンガポール人が私達と同じ嫌な思いするわけでしょ。サトミさん、皆で食べた方が美味しいって伝えてください。シンガポール人にもあげてって。

このとき日本人ってさすがだな。と思いました。
シンガポール人はあの場面で日本人にも分けてあげてなんて
全くなかったですもん。

日本人でよかった。

 

話は戻り・・・・

翌日の朝、あの馬鹿マネージャーどうしたかな?と思ったら・・

 

なんと

 

 

朝暗いうちに荷物をまとめてボートをチャーターして
家に帰ってしまったそうです。

 

よほど怖かったんだろうなあ・・・苦笑

 

 


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恐縮ですが・・・ [デラワン時代]

昨日サボっちゃいました。

病院で膝の抜糸をしたあと、ほぼOKのお墨付きを頂いたので
家族で珍しく・・・乾杯しちゃいました。

と言ってもビールコップに半分でしたが(笑)

 

さあ、昨日の続き。


音沙汰がずーっとなかったので

やっぱり、自分の名前がつくなんてことあるわけない。
世の中そんなに甘くない。

 

とあきらめていました。

 

ある日、マラトゥアのナブコリゾートへ休憩で寄ると・・・

 

SATOMI san Conglatuation!!!

以前デラワンで働いていたガイドが声をかけてきました。

何?


SATOMI'S PIGMY SEAHORSE!Conglatuation!


違うよ。アレは私が見つけて勝手にそう呼んでるの。
正式名じゃないの。


NO! 違うよ。インターネットの魚情報で新しい魚名で出てたよ。

 

えええ・・・?またデマじゃないの?

 

本当!本当!


当時デラワンにはインターネットのシステムがありませんでしたが
デラワンよりも遠く離れたマラトゥア島ではブロードバンドが
入っていたので、スタッフは1ドルで1回(何時間でも)つなぎ放題
だったのでした。

 

じゃ、1ドル払うからそのページ見せてよ。

 

アレはもう何日か前のニュースだからもうないよ。

 


ふ~ん。

ほらね。また、冗談デショ。

 

私は全く信じませんでした。
自分の人生の中でそんなラッキーなことは一度もなかったし
そういう表舞台に名前が載るようなことには縁がないと思っていたので。

しかも、私には直接なんの連絡もないし。
まあ、何かの間違えデショ。

と気にもとめていませんでした。

 

それからまた何ヶ月かが経ち、帰国しました。

 

図鑑見たよ~!


ゲストからの突然のメールでした。


SATOMI'S PIGMY SEAHORSE載ってたよ。
書いてあるコメントもサトミさんが言ってたのと同じことが書いてあって
感動しちゃった!!

 

え・・・・・・ええ?

 

え?何の図鑑?どこに?え~??


西表の○野さんの所にあったでっかい図鑑。
アンサーにもあるけどあの本2版あるらしくてアンサーのにはなかった。


へ・・・・ (しばらく放心状態)


その図鑑欲しい!


サトミさんには難しいかも・・・3・4万円するよ。


・・・今は・・・確かに無理だな。


 

でも、しかし、とりあえず、本当に名前がついたのだ!

やっほ~!!

 

お世話をしてくれたスティーブンとタカコさんに連絡すると


え?知らなかったの?


どうやら知らなかったのは当の本人だけだったようでした。

 

そんなこんなで無事自分の名前のついた魚を
世に残すことになった訳です。

スティーブン、タカコちゃん、そして面識はないけどルディークーターさん

ありがとう!!

これで思い残すことなくダイビングを。。。まだ辞めないけど。

図鑑の名前は

Indonesian Reef Fish

バリのDive & Divesさんで売っています。

http://www.diveanddives.com/

もう一冊あるらしいけど・・・どの本だろう?

 

世の中の先輩ガイド様には恐縮ですが・・・・


祝! SATOMI'S PIGMY SEAHORSE 学名 satomiae

 

やったね。

 


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そんあ殺生・・・な・・・・・ [デラワン時代]

昨日の続きです。

ある日ボートダイビングから帰ってくると・・・・

 

サトミ!FAX来てるよ。それと友達から電話だよ。
国際電話だから早く早く~!

 

あわただしくオフィスに呼ばれました。
電話に出るとタカコさんでした。


内容は知り合いにあのピグミーシーホースを見せたところ
とても興味を持ち、もし、新種であったら学名にsatomiaeにする
と約束してくれた。
だからFAXに書いてある通りにサンプルをとって直ちに送るように。

ということでした。


え・・・でもサンプルって・・・殺すって事だよね。
私には出来ない・・・。



でも、サトミさんがやらなかったら絶対に誰かがやる。
目の前で他の人にやられてもいいの?


 

んんん・・・・でも・・・よく考えてみる・・・。


はっきりしない返事をし電話を切りました。

 

丁度その頃、デラワンの販促ビデオの撮影でKAPPAさんが
いらしていました。
KAPPAさんに相談すると・・・


すごいじゃん。自分の名前がつくなら絶対やるべき。
何を迷ってるの。

 

だって捕まえて殺さなくちゃいけないんだよ。

 

サトミがやらないなら俺がやるよ。それで俺の名前付けてもらう。

 

・・・・・え・・・・・。でも・・・・・・私には捕まえられない(泣)

 

捕まえるのは簡単だよ。クリオネ捕まえるのと一緒。

 

????クリオネ?どうやって捕まえるの?

 

ペットボトル使うんだよ。

 

?????

 

ペットボトルをちょっとへこませて戻せばピュッと入っちゃうよ。

 

はあ~・・なるほどね。

 

やるの?やらないの?

 

・・・・やってみる。

 

そして翌日ペットボトルを持ってKAPPAさんと潜るのでした。

 

KAPPAさんが撮影した後・・・・

 

ピュッ   ピュッ

水流に乗ってかなりあっさりとペットボトルの中に
吸い込まれていきました。

おおお!かなり簡単に入るもんだな。

 

早く獲れよ


KAPPAさんがカメラを見ていた間に捕まえていたので
催促されました。


もう獲っちゃった。

とペットボトルを見せると


なんだ早いなあ~

 

ペットボトルを振らないように大事に両手で持って浮上しました。

 

次の関門は・・・・標本作り。

 

『氷の上などに置いて凍死させてください。』

あらかじめ作っておいた大き目の氷に窪みをつけて
2匹のピグミーシーホースを置きました。

 

ごめんよ~・・・(涙)


KAPPAさんのアドバイスで写真かビデオを撮っておいたほうが
いいと言うので、言われるがままビデオを撮りました。


(ビデオが・・・なくしちゃったかも・・・)

 

『凍死したものをアルコール○%のものまたはウォッカに浸した
ティッシュに包み形の崩れないケースに入れて下さい』

 

アルコール○%は見つかりませんでしたが
ウォッカはもちろん部屋にあったので(笑)それに浸して

ルディー・クーターに送りました。

 

数日後タカコさんから連絡

生態写真を送るように。


ほ~!良かった。ビデオ撮っておいて。


撮ってあったビデオとゲストに協力していただき写真を数枚
産卵の状況、生態についても説明を加えて
送りました。

そのころ丁度この子に似た

ジャパニーズピグミーシーホースやら
マナドで謎のピグミーシーホースが見つかっていたので
それと同じだったら名前は無理かも。


ここからは運だな。

 

送った後数ヶ月全く音沙汰が無かったので
もう忘れてしまっていました。

 

ところが・・・・・

明日に続く。

(引っ張りすぎだな。この話)


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見せられるもの [デラワン時代]

昨日の続きです。

ビデオでの撮影に成功し、自己満足に陥っていました。

 

そんなある日、マブール時代からの知り合いだった
スティーブン・ウォンさんとタカコさんがデラワンに来てくれました。
デラワンの宣伝に写真を撮ってもらうためオーナーが呼んだようでした。

おおお!スティーブン!タカコちゃん!

いきなり2人とハグしたのを見てオーナーはビックリしていました。

 

知り合いなら話は早い。
サトミ彼らに一番いいところ見せてあげて。


普通なら、私の仕事じゃないと断るところでしたが
昔からの知り合いで、とても好感の持てる方たちだったし
即OKしました。


1週間の滞在で見せられるもの・・・。

ただ、このときはマンタのオフシーズン。
マンタは・・無理かもね。

と正直に話し、見せられるのは・・・・

 

まず、ブルージョージャンプ。

写真・・でかいなあ。。。

 

コウワンテグリの産卵

 

 

 ゴールドスペックジョーの口内保育

 

あと3日延長すればハッチアウト

 

 

ブルーは。。。多分のその後・・。

 

そして・・正体不明のピグミーシーホース

 

 

これらは多分99%見られる。
あとは普通の子達(でも普通に考えると普通じゃないかも)

とブリーフィングしました。

 

翌日からそれらをきっちり見せましたよ。

信じてもらえて3日間延長し、ジョーのハッチも撮ってもらいました。

 

そして帰りがけにあのピグミーは多分新種。
ちゃんと手続きした方がいいよ。

と言い残していきました。

でも、その手続きって・・・サンプル出さなくちゃいけないんでしょ?

 

とあまり気にかけずにいました。

 

ところが・・・・

ある日香港からFAXが届いたのでした。

 

 続きは明日!

 

(引っ張りすぎ?)

 


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世界初!? [デラワン時代]

 昨日の続きです。

日本に帰国したときに衝撃的な!?写真を見せられた為・・・?
張り切ってビデオ撮影に取り掛かるのでした。

まず・・ハッチアウトディを予想しなくては!

とリサーチダイビングを始めました。

 

そろそろ X dayが近づいてきた時に・・・・
なんと・・・私は・・・・(涙)

いつもビデオライトをサンセットダイビングに持って行くんですが
(ビデオは持って行かない・・・)
そのビデオライトをカメラ桶に入れたままにしてしまった。

そのビデオライト。
色温度をばっちり合わせるために撮影用のフィルターを
しっかりかけていたお気に入りのものだったんです・・・。

次の日に思い出してカメラ桶を見ると・・・

 

ない!

 

ない!ない!


もしかしてスタッフがキープしてるかもしれない(涙)


とスタッフに聞くも

 

知らない。そんなの入ってなかった。

 

(涙)

 

結局出てきませんでした。


しかも警察に盗難届けをリゾート側からとってもらったのに・・

 

海外保険では
ダイビング器材は対象外です。

 

といって保険会社には無視されるは・・・

X dayが迫っているのにビデオライトは無くなるは・・・・

 

もう踏んだり蹴ったりでした。

 

もちろん現地調達もままならず
仕方なくピグミーの撮影をあきらめ・・・・・られなかった私は

ナイト用のライトを使って無理やり撮影しようと考えるのでした。

 

ところが・・・・

 

1回目の撮影。

アームが無いし、ビデオライトのようにワイドなライトじゃないので
うまく当たらない。


結局失敗でした。

 

2回目の撮影

ハッチの時は手で持って当てるのは無理とわかったので
ライトのお尻にウェイトを巻きつけ下に置くようにして
当てることに成功。

 

そのビデオを今日発表しようと思ったのですが・・・

 

このブログにつけるのにMP4とかいうファイル方式じゃないと
いけないらしいのですがそれに直せない私・・・。

 

誰か直し方教えて~!!



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一人ぼっちの生態観察 [デラワン時代]

見たこともないピグミーシーホースを発見して

次なる目標は・・・・

ピグミーシーホースのハッチを

見てやる~~!!

 

でした。

イバラダツのハッチをマブールのときに美樹さんと一緒に張ったのを
思い出しつつ・・・一人じゃ一発で決まらないなあ・・・。

しかし。。。やるしかないじゃん!!

と長期戦で考えることにしました。

 

ここからちょっとした企業秘密。
(秘密を知ってもなかなか実行するには根性がいるのだ)


まず、その生物の周期を調べます。

毎日同じ時間にダイビングし(その時間決めも重要だったりする)
個体の変化を観察します。
卵を保育するものに関しては、他のものよりも観察は楽です。
イバラダツは出産直後と卵が入ったときは違いがわかりやすいので
周期が調べやすかった。

だがしかし!!!

このピグミーシーホース。
7匹もいる上に小さすぎて個体識別がとても難しい。

よく見ると一匹だけ体の表面がつるっとした感じの子がいたので
その子にターゲットを絞りました。

 


ある日ツルちゃんのお腹が異常に大きくなっているのを見つけ

う~ん。。。明日かな?

と少し期待。
しかし、プロはここで焦らない。
見ることよりもゲストに見せられるデータを見つけることが優先。
ログブックにメモのみ。

翌日。まだお腹が大きい。

結構大きいままキープするんだ。。。。


数日後ハッチアウトしたらしくお腹が小さくなっていました。


え・・っと、お腹が膨れて○日間でハッチね。(メモメモ)


それをざっと5サイクルくらい繰り返すとだんだんハッチアウト日が
予想できてくるわけです。

 

誤差が一日を切った頃・・・

デラワンには日本人ゲストが切れ間なく訪れるようになっていて
たった一人の日本人ガイドだった私は休みなく潜り続けなくては
いけなかったので体力温存の為ピグミーシーホースの観察は
お預けになっていました。

 

ある日。ゲストが


ねえねえ、ピグミーがウンチしてるの見ちゃった!

 

 

よかったですね。写真撮れました?
 

多分撮れてると思う。


ウンチ?か・・・

(朝、ウンチするの??)


だって黒いのが下からぽろぽろ出て来るんだもん。


・・・・下から?だったらやっぱりウンチかな?

 

写真是非見せてくださいね。

 

撮れてたら日本に帰ってきた時見せてあげるよ。


なんと彼女はしっかり写真にも収めていたのでした。

 

 

 

 

 

ウンチならぬハッチアウトを!!

 

 

 

 

黒い赤ちゃんが尻尾の方から出てきている。
(人間で言うと逆子よね?)

出てきた赤ちゃんは親に似合わず結構大きい。

(写真:S姉さん)

 

 

あっさり先を越されてしまった(涙)


ま、一晩中張らないで済んだから良しとしよう。

 

あっけなくハッチアウトの観察は完了してしまうのでした。


もちろんデラワンに戻ってからビデオでしっかり撮影しました。

産卵も撮れちゃった!

 

あれ?あのビデオどこに置いたかな??

 

 

見つけられたら明日アップ・・・出来るかな?

 


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会えなかった訳 [デラワン時代]

翌日からはシーホース一点に絞り観察をしようと張り切っていました。

やっぱり明るいうちに見なくちゃね。


とその日はいつもの時間より早い時間にエントリーしました。

そして・・・その根にたどり着くとウチワを確認。


 

 

ゲゲ!居ないじゃん!!

 

絶対に居ると思っていたのにいないとショックも大きく・・・

そんなわけはない。昨日はあんなに居たんだから!

と剥きになって探し回るも見つかりません。

 

もしかして・・昨日ハッチアウトした子達だったのかな・・・。
だったら親が近くにいたのかな・・・。
まわりを何でもっと見なかったんだろう・・・。
もしかしてまだこのまわりに親が居るんじゃないか?

あたり一面を探しまくりました。

 

 

居ない・・・・。 私ってなんて浅はかだったんだろう・・・。


自己嫌悪でいっぱいになって呆然としてしまいました。

 

 

そうしているうちにあたりは暗くなっていました。

 

もう・・帰ろう・・・・

うらめしい目でウチワをライトで照らし遠くから眺めました。

 

 


うわ!


とっさにライトを消しました。


 

違う。。だってさっきまで居なかったもん。
きっと見たいと思った気持ちが幻覚を見せているんだ・・。


もう一回ライトを点けると・・・


 

いるじゃん!ちゃんと居るじゃん!!

 

最初は2・3匹しか居なかったのですが暗くなるにつれ
一匹・・また一匹と増え、最後にはまた7匹になりました。


そっか。君たちは夜に集まるのね。

 

どうりでなかなか会えなかった訳です。

そう言えば最初のご対面も夕方。
そう言うことか・・・・


 

と言うことは明るいうちにはよ~く見られないわけだから
ちょっと申し訳ないけど今のうちに見せてね。


ライトの光量を絞りながらシーホースを観察しました。


よく見ると・・・お腹が大きい子とそうでない子が居ます。


もしかして・・・君たちこれで大人なんでしょう?
今流行のピグミーシーホースってやつでしょ?

 

一人でつぶやきながら・・その真相を確かめようと
明日からの観察ダイビングの作戦を立てなければと決意を固めるのでした。

 

明日は・・・作戦スタート!


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再会 [デラワン時代]

しばらくの間・・・・

あのシーホースを絶対見つけてやる!

と意気込んでいたものの、ぱったり見られなくなってしまったので
アレはやっぱり流れてたBabyだったんだなあ・・・と
自分なりに解釈しあきらめる事にしました。



そんなことがあったこともほとんど忘れてしまい・・・。

次のマイブームは

サンセット~ナイトダイビング!


それまで明るいうちにダイビングを済ませていたのですが
ニシキテグリ・ミヤケテグリの産卵から始まり・・ウミシダ・・・ブルージョー・・・
最後の締めはネッタイミノカサゴの産卵と言う

超ミラクル
デラワンスペシャルダイブ!

にはまりにはまっていました。

5:30に始まり7:30まで2時間潜りっぱなし
最大水深13m、平均水深7mと言う
きわめて体に悪い!ダイビングにハマってしまったのです。

浮上のきっかけは毎回

ライトの電池切れ。


今あるようなLEDライトだったら多分・・・間違えなく・・・

死んでますね(笑)

 

それを毎日続けていてそろそろ生態観察にも飽きてきた頃


何か新しい刺激はないものか?

ふらふらと切れそうなライトを手に
アッチの岩・・こっちの岩・・・
と目を丸くして探していると・・・

 

ムム?

一瞬照らしていたライトを消しました。
(私はナイトで何かを見つけた場合、ライトを当てすぎると
引っこんでゲストに見せられない事が多いので、
何かを見つけるととっさにライトを消す癖があります。)

何か居た。・・・・絶対何か居た。


小さいほうのライトを手で光量を絞りながらつけました。
(ゲストに見せるようにスポット用の細いライトを常備しています)


ほよおおおお~!!

 

小さなヒドラ系のウチワに見覚えのあるあの白い物体が!!!

しかも・・・しかも・・・7匹一緒に一本の枝にぶら下がっている。

≪イメージ映像≫・・その時はビデオも何も持っていなかったので。
 

いや、実際は7匹ですからね。
その衝撃と言ったら・・・・・(汗)

 

7匹もいるって事は・・・やっぱりあなた達兄弟よね??

陸上でも友達の居なかった・・孤独な私は
シーホースちゃんに話しかけました。

シーホースはそれまでジーっとしていたのに
右へ左へ・・前へ後ろへ・・・・
体をくねらせそのうち何匹か泳ぎ始めてしまいました。


う・・・ん。違うってこと?

(返事するわけ無いじゃん!)

ごめんよお・・・明かりが嫌いなんだね。


と謝りつつ・・・ライトもそろそろ切れそうだし
その日の観察をあきらめ明日また
来てみる事にしました。

 

 浮上してからも興奮がなかなか冷めず・・・

この感動を分け合えるような仲間も居なかった私は
一人でビールで乾杯し、夜を明かすのでありました。


明日は、シーホース大調査だ!

 


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幻のシーホース [デラワン時代]

もう7年前になりますが・・・・

デラワンに就任して間もない頃
まだ、友達も弟子もいない私はダイビングしかすることが無く
ゲストがいる日はボートに乗って・・・
いない日はハウスリーフのダイビングへ

毎日毎日とにかく潜り続けていました。

 

私自身、正直を言うとファンダイビングは・・あまり好きでない。

ガイドをするダイビングは好きなのだけれど
なぜだか自分のために潜るのは、楽しくない。

 

毎日毎日

ゲストが来たら見せてあげる為にリサーチだ!

と自分を奮い立たせてダイビングしていました。

 

そう言う意味ではデラワンの海はリサーチのしがいがある海でした。
ハウスリーフも潜れば潜るほど新しい発見があるし
生態物も見たい放題。
(のちのちこの面白さが減圧症に導いてしまうのですが・・・)

 

ある日の夕方いつものようにリサーチをしていました。

ウミシダをチェックし、
ガレ場をチェック。
砂たまりをチェック・・・

あ、そうそうあのウミウチワもチェックしなくちゃ。

とオレンジ色の少し大きめのウチワをチェックすると・・・

 

あれ?

何だか白い小さなものがふわっと動いた。

ゴミ?

と手をかざすとそのゴミは意思があるように動く。

 

生き物だな。

よ~く目を凝らしてみると

 

・・・・タツノオトシゴ??

砂のような色のふっくらした形の5mmほどしかない
タツノオトシゴがそこに居ました。

 

その頃ピグミーシーホースと言うのがとても流行っていたのですが
風貌は全くそれに似ていないし
もしかしてタツノオトシゴの仲間のBabyかな?
と思いました。

 

あまりにも泳ぎまくるし明日には居なくなっちゃうな・・・

と思いつつ、ビデオ(その頃はビデオ専門だった)も持っていなかったので
証拠の映像も残せませんでした。




次の日もう一度そこに行くと・・・・

やはりもう二度とその場所にタツノオトシゴはみらることはありませんでした。

 

あれは幻だったのだろうか?


と思いつつ、

 

もう一度あの子に会いたい


次の日からますますリサーチ熱が上がるのでありました。

 

明日へ続く・・・

 


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